ホワイトハッカーを夢みて、セキュリティアカデミーでお勉強中のミーアキャット。心配性でやさしい性格で、「みんな無事ミア?」「危険はないミア?」が口癖。ちょっとしたことですぐに「キャッ!」と動揺しがち。
開発エンジニアとして社会人としてのキャリアを始め、情報処理安全確保支援士合格後、サイバーセキュリティの道に。母国語はRubyと日本語。
近所のレストランを探そうと思って口コミサイトを見に行ったら、パスワードがわからなくなってログインに結構手こずりました。そもそもログイン機能ってそんなに重要ミア?
羽鳥さん
いい質問ですね!ログイン機能はシステムの中でも重要な役割を果たしています。利用者が本人であることを確認し、その利用者だけに許可されているデータや機能を提供できるようにする役割がありますよ。
キャッ!ログイン機能ってそんなに重要だったんだ!もし、問題があるとどうなるミア?
羽鳥さん
例えば、悪意のある人が他の人になりすましてログインしたり、特権を持った管理者のアカウントに不正にアクセスして、重要なデータを操作したりすることもあります。また、本来ログイン権限を持たない人が、システムの機能を使えてしまうことも。
具体例を挙げると、顧客の個人情報を多く扱う物流システムや、金融システムのログイン機能に脆弱性があった場合、悪意のある第三者が不正にログインして、慎重に取り扱うべき個人情報を盗み取ってしまうリスクがあります。これは企業にとって非常に深刻な問題につながるでしょう。つまり、ログイン機能の安全性がシステム全体のセキュリティ対策に直結するんです。
それじゃあ、ログイン機能は慎重に作らないといけないですね。安全なログイン機能を作るにはどうすればいいミア?
羽鳥さん
ログイン機能には、意外と知られていない「お約束」がいくつか存在します。まずは、ログイン失敗時の情報はできるだけ限定的にすることが大切です。
限定的にするってどういうことミア?
羽鳥さん
ログインに失敗したときに、エラーメッセージで詳細な情報を返さないようにする必要があります。詳細なエラー理由を表示することで、不正な第三者がログイン情報を推測しやすくなるからです。
例えば、ログイン失敗時に失敗の原因をユーザーに伝えている場合です。ユーザーIDが存在しない場合は「ユーザーが存在しません」、パスワードが間違っている場合は「パスワードが間違っています」。こうしたメッセージは一見、利用者に対して「なぜログインが失敗したのか?」を伝える親切な設計のように見えますが、悪意のある第三者に対して「どのユーザーIDでログインを試行すればよいか」のヒントを与えることにもつながるのです。
親切に教えすぎるのもよくないということミア……。
羽鳥さん
そうなんです。また、アカウントロックというルールも重要です。一定回数以上ログインに失敗すると、そのアカウントを一時的にロックすることで、連続した不正なアクセスを防ぐことができます。細かいルールをきちんと守って、安全なログイン機能を作りましょうね。
じゃあ、ルールさえ守ればログイン機能を自分たちでゼロから作っても問題ないミア!僕もオリジナルのログイン機能を作ってみようかな?
羽鳥さん
たしかにそのように考える方も多いのですが、ログイン機能のような複雑な仕組みをゼロから作ると、実はバグやセキュリティの脆弱性の問題が発生しやすくなるんです。
えっ、それはどうしてミア?
羽鳥さん
先ほど説明したような「ログイン機能の実装時のルール」を十分に理解しないで作業すると、知らぬ間にシステムの弱点を作ってしまう場合があるからです。「セキュリティホール」と呼ばれる弱点が存在することで、攻撃者がその隙をねらって不正アクセスを試みたり、システムを乗っ取ったりする可能性が高くなります。
じゃあ、どうすればいいミア?
羽鳥さん
ログイン機能のような重要な機能は、ゼロから自分で実装するのではなく、すでに安全性が確立されているサービスや仕組みを活用して開発することが推奨されています。
なるほど。既存の安全なサービスを使うのが安心ってことですね。ちなみにどんなサービスがあるミア?
羽鳥さん
安全なログイン機能を構築するためには、既存のIDaaS(ID as a Service)やWebアプリケーションフレームワークのログイン機能を活用することがおすすめです。
まずIDaaS(ID as a Service)と呼ばれるクラウド型の認証サービスを使う方法について解説しますね。これは、企業が個別にログイン機能を開発しなくても、外部の専門サービスが安全な認証を提供してくれる仕組みです。IDaaSには「シングル・サインオン(SSO)」という便利な仕組みがあります。一度ログインすると、他の連携サービスにもログインし直さずにアクセスできるようになりますよ。
それは便利ですね!じゃあ、IDaaSを使えば何もしなくても安全ってことミア?
羽鳥さん
それが、そういうわけでもないんですよ……。IDaaSを使う場合、適切な設定が重要です。例えば、ログインの仕組みをしっかりと制御しないと、不正アクセスのリスクが生じることがあります。また、IDaaSの特性を理解して正しく運用するには、専門的な知識を持つエンジニアが必要になることもあるのです。
なるほど……。便利だけど、適切に管理しないと逆にリスクもあるってことミア。
羽鳥さん
おっしゃるとおりです。また、Webアプリケーションフレームワークが提供するログイン機能を活用する方法についても解説しますね。
最近のフレームワークには、標準でログイン機能が用意されていることが多いので、開発者がゼロから認証システムを作る必要がありません。フレームワークのログイン機能を使うと、基本的なセキュリティ対策(パスワードの暗号化、セッション管理、攻撃対策など)が最初から組み込まれているので、セキュアなログイン画面を比較的簡単に実装できます。
フレームワークはエンジニアによる拡張性が高い分、セキュリティの知識がある程度は求められますが、ゼロベースで開発するよりもセキュリティに強いログイン画面を作成可能です。
なるほど。エンジニアの知識が必要だけど、ゼロから作るよりも、こういったサービスを活用したほうが安全で効率的なんだね。
羽鳥さん
そうですね!ログイン機能はシステムを利用するうえで欠かせないものですが、その分、セキュリティのリスクも高くなります。だからこそ、既存の安全な仕組みを活用して、確実に守られたシステムを構築することが大切です。
ログイン機能のお約束ごとについてよくわかったミア。今日はいろいろ教えてくれてありがとミア!