プロフィール

ミアミン
ホワイトハッカーを夢みて、セキュリティアカデミーでお勉強中のミーアキャット。心配性でやさしい性格で、「みんな無事ミア?」「危険はないミア?」が口癖。ちょっとしたことですぐに「キャッ!」と動揺しがち。

生井 絢也
2017年新卒入社。脆弱性診断やペネトレーションテスト業務を経て、現在は攻撃手法のツール化を目指す開発事業に挑戦中。趣味は美食、OSINT CTF、英語と中国語の学習。
脆弱性診断とペネトレーションテストって何がどう違うの?

生井さんこんにちは!今日のテーマは「ペネトレーションテスト」ですね。最近よく見かける言葉ですが、これは一体なんですか?脆弱性診断とは違うミア?

生井さん
いい質問ですね。脆弱性診断もペネトレーションテストも企業がセキュリティを強化するうえでとても重要なものですが、それぞれのアプローチには明確な違いがあります。
●脆弱性診断とペネトレーションテストの主な違い
主な目的 | 特徴 | |
---|---|---|
脆弱性診断 | システム全体の脆弱性を網羅的に 洗い出すこと |
ベースラインに則った 広範囲なチェックを提供 |
ペネトレーションテスト | 「特定された問題を利用した攻撃」 「想定されるリスク、脅威シナリオ を定めての攻撃」の実行と評価 |
リスクベースによる実践的で 攻撃指向の手法を取る |

なるほど、目的や実施範囲が全く異なるからこそ、企業のセキュリティ体制を強化するためにはどちらも欠かせないんですね。具体的にはそれぞれどんなことをするミア?
セキュリティ上の弱点を見つけ出す「脆弱性診断」

生井さん
脆弱性診断は、企業の情報システムやネットワークのセキュリティの弱点を特定するプロセスです。システムに対して疑似的に非破壊の攻撃を行い、その挙動を確認することで、システムやアプリケーションに存在するセキュリティ上の弱点を特定し、リスクを可視化します。

これは前にも教わりました!脆弱性につながりそうなシステムの“隙”を見つけるために、システム全体を通して怪しい動きがないか、広くチェックするってことミア。

生井さん
そうそう。これによって、ソフトウェアのバグ、不適切な設定、古いバージョンのソフトウェア使用などのリスクを洗い出すことができます。

診断の結果、見つかった脆弱性はどうなるミア?

生井さん
診断終了後は、自動化ツールや専門家による手動診断を組み合わせて行われ、発見された脆弱性についての詳細な解説だけでなく、セキュリティ強化のための改善策も記載されたレポートが作成されます。

専門家に提案してもらった改善策に基づいて、社内で対応していけばいいんですね。適切なタイミングで脆弱性診断を続けていくことが大事だということも、前に教わったミア!

生井さん
そのとおり、脆弱性診断は一度きりではなく継続的なプロセスとして実施していくべきです。世の中では日々新しい脆弱性が出てきていますし、自社のシステムを更新したときに実は脆弱性につながっていた……ということも多いですからね。企業のセキュリティリスクを最小限に抑えるために、定期的な脆弱性診断が重要な役割を果たします。
模擬攻撃でリスクの大きさを検証する「ペネトレーションテスト」

生井さん
ペネトレーションテストは「侵入テスト」ともいわれ、実際の攻撃者が行うような手法を用いて、企業の情報システムやネットワークのセキュリティを評価するプロセスです。

テストを行う側の誰かが攻撃者、つまりハッカーになりきって、模擬的に攻撃をしかけるということ!?そんなことができるミア?

生井さん
そうなんです。実は、ハッカーにはサイバー犯罪などの悪いことをする「ブラックハッカー」と、サイバー犯罪対策などの良いことに知識や技術を使う「ホワイトハッカー」がいます。
ペネトレーションテストではホワイトハッカーがシステムに対してさまざまな攻撃を試み、セキュリティ対策の効果を実地で検証します。目的は、実際の攻撃シナリオで検証し、その弱点がどの程度のリスクをもたらすかを理解することです。

なんと、憧れのホワイトハッカーが活躍するミア!ペネトレーションテストによって実際の運用環境でのセキュリティの強さを把握できるのは、すごく実践的ですね。

生井さん
ペネトレーションテストの結果は、セキュリティ対策の改善点を明確にし、より効果的な対策を講じるための重要な指標となります。一方で、システム全体を見渡して一番弱そうなところを特定し、そこが本当に弱く、目標(侵入)を達成できたかを確認するため、システム全体の脆弱性は把握しにくいという面もあります。
脆弱性診断とペネトレーションテストを使い分けるポイント

ふむふむ、両者の違いがよくわかったミア。どちらも欠かせないセキュリティ対策だということは理解できたけど、得手不得手もあるような……使い分けるコツはあるミア?

生井さん
脆弱性診断は、特に新しいシステムやアプリケーションを導入する際、または定期的なセキュリティチェックの一環として重要です。システム内の潜在的な弱点を早期に特定・修正できるので、データ漏えいやシステムダウンのリスクを減らし、企業の信頼性と安全性を高めるための手段として一般化しつつあります。

なるほど。ペネトレーションテストが向いているのはどんな場面ミア?

生井さん
ペネトレーションテストは特定のリスクを実際の攻撃シナリオでテストし、セキュリティ対策の実効性を評価するために使用されます。これにより、企業は攻撃に対する準備状況を理解し、必要に応じてセキュリティ体制を強化できます。
脆弱性診断によってセキュリティ上の弱点を洗い出して、その弱点が実際の攻撃シナリオでどのように機能するか、ペネトレーションテストを通じて評価する。この一連のプロセスをセキュリティ計画に組み込むことで、セキュリティ事故のリスクを減らして、自分たちのビジネスを守ることにつながります。

お互いを補い合うような関係にあるのですね。いろいろ教わってみると、セキュリティシステムでは、「組み合わせ」や「補い合うこと」がとても重要ということがよ~くわかるミア。

生井さん
そうですね。それにこれらの診断結果を用いて、経営層に対してもセキュリティ対策の重要性を具体的に示せるようになり、企業全体としてセキュリティの意識を高め、効果的な対策を講じられます。

脆弱性診断とペネトレーションテストの違いだけでなく、それぞれどう活用するべきかよくわかったミア。今日はいろいろ教えてくれてありがとミア!